ワイナリーのご紹介

ワイナリーのご紹介

当ショップ「サカルトベロ」で扱っているワイナリーをご紹介します。ジョージアのワイン生産の中心地である東部カヘティ地方から中部カルトリ地方、西部イメレティ地方に至るまで、いずれも小さいけれども質の高さで輝いているワイナリーばかりです。

「王のレシピの伝統守る」ナオタリ ワイン

ナオタリ ワイン

コバ・クバチレリシビリのワイナリー、ナオタリは、ジョージア東部カヘティ地方のチカニ村にあります。2階建ての自宅の1階がマラニ(醸造所)です。

コバの先祖は、18世紀にカヘティ地方を支配していた王様、エレクレ2世にオレンジワインを献上していました。ルカツィテリ、キシ、ヒフヴィの3種の地場ブドウのブレンドで、その配合は「エレクレ2世のレシピ」と呼ばれています。

「このレシピは家族の誇り」と語るコバ。クヴェブリ(ワイン醸造用の甕)の口には、エレクレ2世の刻印が残っています。

自宅周辺に数ヘクタールのブドウ畑を持ち、「すべてナチュラル」に強いこだわりを持っています。農薬を使わない畑は豊かな下草に覆われ、ヒバリが巣を作ります。発酵は自然酵母で行い、添加物は一切使っていません。ジョージア本来のワイン造りの伝統を守ることがコバの強いこだわりです。

5月にコバのワイナリーを訪れ、半年前の秋に封印したクヴェブリを開けるのに立ち会わせてもらったことがあります。砂を払い、地面に埋められたクヴェブリの石の蓋を開けると、表面にブドウのタネがびっしり浮かんでいました。「種に含まれるタンニンが雑菌の繁殖を防いでくれるんだ」とコバ。

種を取り除き、クヴェブリから汲み出したワインは淡いオレンジ色に輝いていました。「大地から生まれたワインだ」。グラスを掲げ、コバが漏らした歓喜の声が今も耳に残っています。

「挑戦する女性醸造家」 ルカシ ワイナリー

ブドウの原種といわれるサペラヴィと欧州方式による醸造 〜Lukasi Winery(ルカシー ワイナリー)〜

ルカシは女性醸造家、ケイト・ゲルサミアのワイナリーです。

マラニはジョージア東部カヘティ地方テラビにあります。温度管理できる最新式のステンレスタンクで発酵させ、フレンチオーク樽で熟成させています。ルカシという社名は、ケイトの愛息ルカにちなんで付けられています。

生産規模は年間1万本程度と少なく、細やかで丁寧なワイン造りが特徴です。ジョージア西部のレチェフミ地方の希少種ブドウ、チハベリやウサヘラウリから醸されるロゼや赤ワインはジョージア国内でも人気が沸騰。店頭では入手が困難となっているほどです。

ケイトは「ジョージアでウサヘラウリはセミスイートの赤ワインを造るためのブドウと思われているが、それでドライな赤ワインを造ったらどうなる?そのアイデアで造ってみたら美味しかった」と話しています。既成概念にとらわれない柔軟な発想によるワイン造りの姿勢は、まさにチャレンジングです。

その実力は、日本のワインコンテスト、サクラアワードで2015年にロゼのチハベリで最高賞のダイヤモンドトロフィー、翌16年に赤のサペラビでゴールドを受賞したことでも示されています。

「祈り、そして醸す」 ダサバミ

ダサバミ

ザザ・ダルサベリゼは、首都トビリシから南へ約60キロにあるジョージア南部のマルネウリ地区タマリシ村で、ワイン造りを行っています。  マラニ(醸造所)は1966年にザザの祖父と父が自宅脇に建てたものです。周辺には約1ヘクタールのブドウ畑があり、ルカツィテリやムツバネ、ヒフヴィなどの地場ブドウを栽培しています。

毎日生育状況をつぶさに見て回り、病気や虫が付く兆候があると、葉や芽、枝を手で摘み取ります。手がかかる作業をすべてひとりでこなし、人を雇ったり、家族の手を借りたりすることもないといいます。

「ブドウは64〜65年に父らが植樹。樹齢50年を超え、採れるブドウの質も量も今が一番いい」とザザは話します。

秋に収穫したブドウは、400〜500リットルのクヴェブリで発酵。半年後にワイン液だけを取り出し、別の250〜300リットルのクヴェブリに移します。さらに半年から1年熟成し、瓶詰め。この間にオリが沈殿し、ワイン液は自然に澄んできます。

青リンゴのような爽やかな酸味が特徴のザザのワインは、開栓してから1カ月経っても十分美味しく飲めます。オーガニックのブドウで造ったワインにはそれだけのパワーがあるからだといいます。

マラニの壁には、ろうそく台がしつらえてあります。秋に封印したクヴェブリを半年後の春に開封する時には、ろうそくを灯し、神への感謝の祈りを捧げるそうです。

「軽やかな金色のワイン」 バグダティ・エステート

バグダティ・エステート

バフタングとマルハズのムシュビルダゼ兄弟のワイナリー、バグダティ・エステートは、ジョージア西部の中心都市クタイシ近郊のバグダティ村にあります。自宅がある丘の斜面のわずか0.2ヘクタールのブドウ畑で、ツォリコウリやクラフナ、ゼルシャヴィなどの地場ブドウを丹精込めて育て、丁寧に醸しています。

ジョージア西部のオレンジワインの製法は独特です。スキンコンタクトが1カ月と短く、発酵が終わる11月にはブドウの皮や種をワインから分離してしまいます。そのため色はオレンジというより、淡い金色で、フレッシュできれいな酸を感じさせる軽やかな仕上がりになります。バフタングは「スキンコンタクトは、完全に発酵させるため。甘いワインにならないようにするのが目的」と話しています。

ワイナリーを訪れたのは5月。ブドウの木から蔓が盛んに伸びていました。「花が咲く時期には、蜂による受粉の邪魔をしないよう、人間はブドウ畑に立ち入らないんだ」とバフタング。彼のオーガニックへのこだわりを感じさせる言葉でした。

目の前のサルキエタ山にはトルコの要塞跡の廃墟が見えました。バグダティ村がある一帯は15〜19世紀にトルコの支配下にあったといいます。トルコ軍は峠を越えてやって来て、村人をさらって行ったそうです。

隣の畑はソ連時代にはコルホーズ(集団農場)でした。今の持ち主は高齢のため農作業ができないとのことで、ブドウの老木が放置されていました。今にも一雨来そうなブドウ畑でバフタングの話を聞きながら、周辺の大国によって侵略・蹂躙されたジョージアの複雑な歴史の影に触れた思いがしました。

「特別なテロワール生かす」 アフメタ・ワインハウス

アフメタ・ワインハウス

アフメタ・ワインハウスは、ニック・ガルセバニシビリと友人のシャルバ・コグアシビリがジョージア東部カヘティ地方アフメタに設立しました。

ニックが「クヴェブリによるワイン造りは家族の長い伝統」と話すように、ワインは全てクヴェブリで発酵・熟成させています。オレンジワインは、カヘティ地方の伝統に沿ってスキンコンタクト6カ月で、豊かなタンニンによるキレのあるビター感があります。サペラビによる赤ワインは超濃厚で、まさにフルボディーです。

ニックに案内されてブドウ畑を見に行くと、5月晴れの日差しの中でブドウ棚の半ばの丈に達するデイジーの白い花が咲き乱れていました。下草の豊かさは除草剤を使っていない証拠です。有名なアラベルディ修道院の美しい塔が間近に望まれました。

ニックは「アラベルディ修道院周辺のテロワールは特別で、ブドウの味が濃くなります。私たちはブドウが完熟するまで待ちます。周囲の畑に比べ、収穫が2週間遅くなることがあるほどです」と話しています。

「アラベルディ」とは「神に与えられた土地」という意味です。土地が肥沃で農作物が豊かに実ることから名付けられたといいます。アフメタ社のワイン造りは、そのポテンシャルを存分に生かしているのです。

「家族総出のワイン造り」 バージャ・ゲティアシビリ・ワインセラー

バージャ・ゲティアシビリ・ワインセラー

ジョージアのカヘティ地方の東端にあるバージャ・ゲティアシビリ・ワインセラーを営むレゾ・ゲティアシビリは、詩人で環境NGO活動家です。地元のワイン工場で長年、醸造技術者として働いていた父、バージャをはじめ、家族全員でワイン造りを行なっています。だから、社名には父の名前が冠されています。

一家のマラニは1963年に建てられました。地下室を造るために掘っていたら、約1000年前のクヴェブリが出てきたそうです。

ワイナリーを訪ねたのは10月。秋晴れの下、自宅近くのブドウ畑では家族や親戚が総出でルカツィテリやムツバネの収穫を行なっていました。

ブドウ畑では、化学肥料や農薬は一切使用していません。レゾは「隣の畑の持ち主にも農薬や肥料は使わない方がいいと呼び掛けています。使えばブドウに残留し、ワインに入ってしまいます」と話します。

オレンジワインのスキンコンタクトは6カ月。6カ月間熟成され、瓶詰めされます。無添加、無濾過です。

「出会う二つのワイン文化」 オリマラニ

オリマラニ

オリマラニはフランス人、バスティアン・ワースコッテが設立したワイナリーです。フランス・シャンパーニュ地方出身のバスティアンは、ブルゴーニュでワイン造りを学び、カナダでワイン造りの経験があります。ジョージア女性ニノとスロバキアで知り合い、結婚したのを機に、ジョージア中部シダカルトリ地方イゴエティに自分のマラニ(醸造所)を設立しました。

ジョージアワインの伝統と文化に深い敬意を払いつつ、独創的なアイデアによるワイン造りに取り組んでいます。「オリマラニ」とは「二つのマラニ」という意味で、フランスとジョージアの二つのワイン文化が出会い、新たなワインを醸し出すという思いを込めています。

その典型はクヴェブリで発酵させ、フレンチオークの樽で熟成させるオレンジワインのシリーズです。スキンコンタクトの期間は、ジョージア東部カヘティ地方では通常6カ月ですが、バスティアンは2週間〜2カ月にとどめ、軽い仕上がりにしています。

バスティアンは「オレンジワインの風味を生かしながら、タンニンの渋みが強く出すぎないようにするための良い妥協」と説明しています。

2019年にリリースしたスパークリング(アレバ)とペットナット(Definitely maybe)は、バスティアンの才気縦横ぶりが発揮されました。アレバは瓶内2次発酵のため砂糖ではなく、生ハチミツを使用。Definitely maybeはクヴェブリワインにブドウ果汁を加え、瓶内で発酵させました。バスティアンは「クレージーなアイデアからいいワインができた」と話しています。

ブドウはチヌリ、ゴルリムツバネ、タブクヴェリなどを自家栽培か契約農家による無農薬栽培。野生酵母のみで発酵させ、無添加・無濾過で醸しています。